フォリオシンキング(folio thinking)は,ポートフォリオの有効活用によって起こる深い学習のことを指し,教師支援等の研究で有効性が明らかになっている(小川ら 2012).本研究で支援する親性は,「子育てする親」を対象にしており,「学生を教える教師」のポートフォリオにより生じる学びの効果と重なる部分が大きいと考える.そこでフォリオシンキングが生じる深い学習を支援原理に用い,FPの設計要件の検討を行った.具体的には,下記3つの次元をFPに照らし合わせることで機能を設定した.また,日常気軽に写真を撮りためることができるよう,スマートフォンアプリとして実装した.
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撮り貯めた記録がルーレットとなり、台紙を用いれば双六として遊べる.
愛知淑徳大学 佐藤朝美